日本酒読本
第15回
それぞれの肝臓の処理能力の範囲内なら、「お酒がおいしく飲めて、楽しめます。」
大西 久仁彦(おおにし くにひこ)さん

1947年、北海道出身。 
埼玉医科大学助教授。アルコール性肝臓障害を専門とする。
日本消化器病学会、日本肝臓病学会、日本内科学会所属。
「お酒が原因で肝障害を起こす人は、欧米人に比べ、日本人の場合少ないんです。」
肝臓には、もともとアルコールを処理する能力があり、その範囲内であれば、問題はありません。
ただ、その処理能力には個人差があります。アルコールは、肝臓に入るとまずアセトアルデヒドになり、それから酢酸に変わりますが、そのスピードの速い人は処理能力の速い人で、たくさんお酒が飲めるのです。
また肝臓の大きさによっても処理能力は違い、日本人よりは欧米人、女性よりは男性の方が肝臓は大きく、
処理能力は高いんです。

「自分の処理能力を自覚しよう。」
私の動物実験によると、肝臓の処理能力は、毎日飲んでいると4週間くらいで1.5から2倍を限度に高くなることがあります。ここで人の場合は、毎日飲み続けていると初めは一定のレベルで反応していた大脳が、次第に受容体が狂ってきて同じ濃度でも反応しなくなる。つまり、処理能力をチェックするアンテナが鈍くなってしまい、そのために肝臓の処理能力以上のお酒を飲むようになってしまうことが問題なんです。
翌朝までに肝臓が処理できる適量は、一般に男性なら3合、女性なら2合くらいが平均的な量と言われますが、とにかく、自分の処理能力を自覚することが大切でしょう。

「楽しく飲んで、後には残さない飲み方を。」
アルコールの処理能力を高めるためには、タンパク質やビタミンA、D、E、Kなどを含む食品を食べながら飲むのがいいことは良く知られています。肝臓を大事にしながら、楽しみ飲み、食べる。
それがお酒を後に残さない飲み方といえるでしょう。
もっとお酒が楽しくなる「日本酒読本」より
[発行:日本酒造組合中央会]

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